タイ保健省は現在、分子生物工学技術を活用し、在来の唐辛子品種を研究・保存しながら、経済的な医療植物としての開発を進めるプロジェクトを実施しています。このプロジェクトは二〇二四年から二〇二五年の二年間をかけて、国内の優良な唐辛子の種子を確保し、タイ在来のハーブの安全保障と商業価値の向上を目指すものです。
医療科学局のヨンヨット局長は、植物組織培養により育てた「プラリアン唐辛子」の苗を、トラン県のソンクロード知事に正式に贈呈しました。これは、トラン県内のネットワークと医療科学局が連携し、現代の科学技術で唐辛子の保存と栽培を推進する取り組みの一環です。このプロジェクトでは、在来唐辛子を効率的に増殖・栽培することで、高品質な苗を農家に提供し、収入や生活の向上につなげる狙いがあります。また、プラリアン唐辛子の独自性を守りながら、今後のハーブ開発のモデルとして全国展開を視野に入れています。唐辛子には抗菌・抗真菌・抗酸化作用を持つ成分が豊富に含まれており、将来的にはてんかんの治療薬としての可能性も研究されています。保健省は、こうした科学的研究と地域の伝統の融合によって、タイのハーブ資源を経済価値の高い産業へと育てていく方針です。