世界のトップレストランを選ぶ「ザ・ワールドズ・ベスト・レストランズ 二〇二五」のランキングが、イタリア・トリノで正式に発表されました。今年はなんと、タイから六つのレストランが世界トップ五十にランクインしました。タイの食品産業にとって、大きな追い風となっています。サシカーン政府副報道官は、「この快挙は、タイ料理が持つ“ソフトパワー”としての可能性を強く示すもの」とコメントしました。タイが、持続可能で魅力的な“食のグローバルデスティネーション”として注目されるきっかけとなりそうです。ランクインしたレストランをご紹介しましょう。まず、世界六位に選ばれたのは「ガガン」。現代インド料理に、タイ・フランス・日本の技法を融合させた、革新的なレストランです。十三位の「ポトン」は、ヤワラート地区にある高級レストランです。タイと中華の伝統を現代風にアレンジした料理が評価されました。十七位の「ソーン」は、南部の希少食材を用いた高級レストランです。伝統の味を大切にしながらも、現代的な調理法で表現しています。二十二位に選ばれた「ズーリング」は、バンコク中心部にあるコンテンポラリードイツ料理のレストラン。国際色豊かな技法でドイツ料理を再構築しています。三十位の「ル・ドゥー」は、タイ各地の季節食材を使い、国際的な技法で仕上げるコンテンポラリータイ料理の名店です。そして三十五位に入った「ヌサラー」は、王室の古い料理書にインスパイアされた、洗練された古代タイ料理を提供しています。これら六店舗はいずれも、味・技術・サービスの面で世界水準をクリアし、それぞれ独自のアイデンティティを確立しています。タイ政府は、こうした成功が若手シェフたちの夢や自信につながることを期待しています。今後は、料理人の教育支援、国際舞台への登用、タイ料理の受容拡大を後押しし、タイの“食のブランド価値”をさらに高めていく方針です。