国際労働力における結核問題の軽減のための3つの研究方針の提案

     「結核(TB)」は、全身のあらゆる臓器で発生する、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)によって引き起こされる感染症です。主に肺で発生することが多く(80%以上)、肺結核として知られており、感染が容易に広がります。結核患者の咳やくしゃみから空気中の結核菌を吸い込むことで感染が広がります。

     「結核」はタイの重要な公衆衛生問題であり、年間1万人以上が結核で亡くなっています。結核は薬物治療によって効果的に治癒できる病気ですが、タイ国内で結核を制御する際の障害の1つは、国際労働力における結核の問題です。国際労働力の中には、おおよそ450万人に達するとされる結核のリスクを抱えていると推定されており、特に隣国からの労働力には結核の罹患率が高い傾向があります。これは経済的な協力によってもたらされる移住により、言語や文化の違いから結核のスクリーニングが困難になるためです。その結果、治療成功率が低下し、薬剤の不足やタイ人の結核予防および管理に対する影響を及ぼすこととなります。

     厚生省は、「国境なき結核と国境なき健康:ASEAN経済共同体における結核の社会文化的側面とタイ国の健康の安定性」というプロジェクトを実施しており、国際労働力における結核の管理と予防に関する提案を行っています。このプロジェクトにより、次の3つの点が明らかになりました。

  1. 個人レベルでの結核スクリーニング、連続的な治療、感染拡大の予防の障害として、言語や文化に関する要因、疾患に関する知識の不足、移動の頻度、適切な生活品質と労働条件の欠如、個人のステータスに対する連続的なケアの不足などが挙げられます。
  2. 国際労働力に関与する関係者、国家の役人、雇用主、仲介業者などは、結核に関する知識や理解が不十分であるため、適切な予防方法を取ることができず、スクリーニングや治療プロセスを軽視し、リスクのある労働力や結核患者への注意が不足しています。
  3. タイの公共医療サービスから無料で結核治療を受けることができるが、社会的なサポートが不足しており、継続的な追跡が必要です。このため、結核にかかった国際労働力は、社会的な連帯の下で治療を受けていく必要があります。

     この研究の結果を踏まえて、以下の提案がなされました。

  1. 国際労働力に関与する全ての部門が連携し、あらゆる労働力のグループに対する結核スクリーニングとケアの提供が確保されるよう努力すべきです。
  2. 国際的な団体や国際組織、そして世界銀行などと連携し、結核スクリーニングと治療に適した薬物を、人権の原則に従って無料で提供できるよう取り組むべきです。
  3. 政府機関や国際機関と協力し、国際労働力の中で結核の制御を向上させるための取り組みを行い、国境を越えた健康と経済の安定を実現するべきです。

 

出典:Office of Information, Office of the Permanent Secretary, Ministry of Public Health Ministry of Public Health
88/20 Moo.4, Taladkwan , Muang, Nonthaburi 11000 Tel. 0 2590 1000

2023年3月24日最新情報

 

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