「MycoSMART」食品や農産物中のカビ毒や汚染検出用キット

     カビの毒素(Mycotoxin) は人間および動物にとって非常に危険な物質であり、土や空気などの環境全体に存在しています。そのため、農業の食品や原材料の栽培、収穫、保存、加工時に汚染する可能性があります。消費者がカビ毒素を含む食品を摂取すると、食欲不振、けいれん、失神が発生する可能性があります。また、長期間にわたって毒素にさらされることは、がんを引き起こす原因となり、死に至る可能性もあります。

     また、カビの毒素は畜産業にも影響を与えます。影響を受けた家畜は成長率が低下し、免疫が弱まり、繁殖システムや臓器の機能に異常が生じることもあります。これにより、生産量が減少し、農場主は大きな損害と損失を被ることがあります。

     MycoSMARTは、食品や農産物中の菌毒素を検出するためのマイクロアレイ(Microarray)という技術を用いたテストストリップ形式の検査キットです。このプロジェクトは、BIOTEC、NECTEC、MTEC、タマサート大学、イギリスにおけるクイーンズ大学ベルファストの生物科学研究科との共同研究と開発の成果です。

     MycoSMARTは、カビ毒として知られる複数の毒素を一度に検出することが出来ます。このテストキットは使いやすく、迅速な結果を提供し、持ち運びに便利なサイズです。特に農業、畜産業、および食品加工産業に適しており、畜産物を加工する前に農産物をスクリーニングすることで、毒素によるリスクを予防し軽減することが可能になります。

     現在の気候変動による気象条件はカビ毒素が増えていき、農業および食品の原材料をカビから効果的に守ることが困難です。けれども、MycoSMARTは、それを至急に対応しているため、農業、畜産、および食品加工産業の農業従事者や事業者にとって適しています。

     したがって、この検査キットは、野菜の農場から食品製造工場まで、農業産品のスクリーニングを簡便に行うことが可能です。これにより、消費者が安全に食品を摂取できるように支援し、農業従事者や事業者のリスクと損失を効果的に軽減します。

     MycoSMART は、3つの主要な技術で構成されています。第1に、マイクロアレイリーダーがあります。第2に、マイクロアレイ技術を用いたテストストリップキットがあります。そして第3に、高感度かつ安定した性能を持つ光発光素材が含まれています。

     MycoSMARTの使用方法は非常に簡単です。まず、食品や農業の原料(例:コーン、サツマイモなど)から抽出したエキスを、テストストリップキットに滴下します。その後、テストストリップキットをリーダーに挿入し、タッチスクリーンから操作するだけで、リーダーは機能し、素早く正確な結果を画面に表示します。この方法は一般市場のキットでかかるコストより安い費用で使用可能です。

     現在、MycoSMARTは以下の5つの毒素を検出することができます。それらは、1)Aflatoxin B1(AFB1)です。主に粉類やピーナッツ製品に見られます。2)Deoxynivalenol(DON)です。小麦、コーン、大麦などの穀物製品に見られます。3(Fumonisin B1(FUMB1)です。人や動物が摂取するコーンの種子に見られます。4)T2 toxin(T-2)です。オート麦、ライ麦などの穀物製品に見られます。最後、5)Zearalenone (ZON))です。動物の飼料に多く見られる成分です。

出典   :  The National Science and Technology Development Agency (NSTDA) Science Park Thailand, Phaholyothin Road, Klong Neung Subdistrict, Klong Luang District, Pathum Thani Province, 12120, Thailand
電話番号: +66 2564 7000

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