水やほこりの付着を軽減し、太陽光発電の効率を向上させるソーラーパネルコーティング剤

     タイ国立ナノテクノロジーセンター(ナノテク)は、The National Science and Technology Development Agency (NSTDA)による研究開発活動を行っており、「水やほこりの付着を軽減するためのソーラーパネルコーティング剤」を研究開発した。太陽光発電パネルは、清潔なガラス面と十分な光エネルギーを受け取ったときに最大の効率で電力を生み出すことができるが、乾季の間には日光が強く、大量に発電が出来るはずだが、この時期には「ほこり」の問題があるため発電量が通常より10割少ない状態である。この問題を解決するために、開発者は「ナノコーティング剤」の専門知識を活用して、太陽光発電パネル用の特別なナノコーティング剤を開発した。これにより、ほこりが付着しにくくなり、メンテナンスの負担が軽減され、太陽光発電の効率が向上する。

      ソーラーパネルコーティング剤は、材料の水接触角(Water contact angle)を調整するためのコーティング剤で、表面のほこり付着を減らす特性を向上させる。また、水、油、または他の液体が表面に触れた時、球状になって表面から転がり落ちる効果もある。これにより、ほこりの付着や汚れの除去がしやすくなるため、太陽光発電パネルの表面の洗浄が効果的に行える。乾季の間、このコーティングにより太陽光発電パネルの発電量が約5%増加する。

     研究チームは、使いやすく、太陽光発電パネルの表面を傷つけずに、1〜2年たてば自然に無くなるコーティング剤の開発に成功した。このコーティング剤は太陽光パネルの保証に影響がない。また、使用者の安全性と環境にやさしいことも確認されている。

     多くの国々が再生可能エネルギーの未来の選択肢として太陽光発電パネルを促進しており、タイも同様にその利用を増やす方針がある。現在タイでは、約6,000-7,000メガワットの発電量が見込まれているが、2037年には12,725メガワットまで増加すると予測されている。これにより、電力生産の効率を向上させ、太陽光発電パネルの寿命を延ばすために、新たなイノベーション製品の需要が高まる傾向にある。

2023年2月2日最新情報
出典 : The National Science and Technology Development Agency (NSTDA)
電話番号: +66 2564 8000


コメント

Copyright 2022, All Rights Reserved.
アクセスカウンター : 69,250,659