タイは、国際的な健康食品イノベーションのリーダーとしての存在感をあらためて示しました。「タイ研究博覧会二〇二五」で発表された研究、「マイクロカプセル化バチルス六三-一一による、保存性と生物活性を高めたプロバイオティクス」は、産業応用と新経済の創造をテーマとする部門で、名誉賞を受賞しました。この研究では、タイ由来の微生物「バチルスインファンティㇲ 六三-一一」に、革新的な“マイクロカプセル化”技術を活用。有益な菌をカプセルに包むことで保存期間を延ばし、様々な環境下でも安定的に生存できるよう工夫されています。さらにこの菌株は、健康効果の高い天然のオレンジ色素=カロテノイドを生成します。細胞を酸化ストレスから守り、免疫系や神経系、肝機能の向上にも貢献するとされています。
この技術は、サプリメントや飲料、健康食品などへの幅広い応用が期待されており、保存性や生理活性を維持したまま商品化が可能です。本研究は、タイの知恵や生物資源を生かした「フードフォーファンクション, フードフォーフューチャー」プラットフォームの一環でもあり、高付加価値な食品産業の成長と、国民の健康を両立させる国家戦略に沿った取り組みです。この成果は、タイの科学技術力を世界に示すと同時に、健康な未来を拓く研究の力を活用し、グローバルな機能性食品市場での持続的なリーダーを目指す、タイの強い意思を反映しています。今後、研究の成果が商業化されることで、新たな起業家や研究者の挑戦にもつながると期待されています。