タイ東北部のナコンパノム大学が、新しい在来種ハイブリッド鶏「スリ・コット・ブーン」の開発に成功しました。この鶏は飼育がしやすく、成長が早い上に病気にも強く、卵の産卵数も多いことから、農家の新たな収入源として注目を集めています。
「スリ・コット・ブーン鶏」は、在来鶏とハイブリッド鶏をかけ合わせた「三血鶏」と呼ばれる品種のひとつで、ナコンパノム県の気候や環境に適したモデル地域で誕生しました。六十日ほどで約一.五キロまで成長し、一キロあたり九十~百バーツで販売されています。肉質がよく、調理にも適していることから、出荷用としても期待されています。この開発を主導したのは、ナコンパノム大学動物科学部のマトニヤ・サラクル博士です。従来の在来鶏は成長が遅く、卵も少なく、加工率も低いため、生産量が需要に追いついていないと指摘します。そこで、国立研究機関エヌアールシーティーと大学の研究所が協力し、在来品種の改良に乗り出しました。「スリ・コット・ブーン」は、すでに多くの農家がヒナの受け取りに登録しており、農家の自立支援や雇用創出、さらには食料安全保障の面でも、大きな期待が寄せられています。この取り組みは、大資本による市場の独占を緩和し、地域経済の活性化と持続可能な収入の確保につながると、注目されています。