フィリピンと、経済と食料安全保障の強化を目指し、合同貿易委員会の設立準備が、進められています。タイと、フィリピンは、今年、合同貿易委員会、ジェーティーシー、の初会合を開催する計画で、農産物や食品、再生可能エネルギー、観光、デジタル経済、ハラール製品を含むさまざまな分野での、経済協力を議論する予定です。中小企業との連携も、委員会の重要なテーマとなる見込みです。合同貿易委員会の設立は、タイとフィリピンの国交樹立七十六周年を記念して、進められています。こうした中、タイは、フィリピンに対し、タイ産の米の輸入拡大を呼びかけました。フィリピン国内で、米の需要が高まる中、タイは、さまざまな種類の米を安定的に供給できると強調しました。一方、フィリピンが、タイから、生の鶏肉とアヒル肉の輸入を承認したことに対し、タイ側は、感謝の意を表明しています。タイは、高品質な食品の安定供給を行える国として、その役割をさらに強化したい考えです。タイとフィリピンは、長期的な、食料安全保障の実現に向けて、協力を進めていく方針です。タイは、八月に、マニラで開かれる世界食品博覧会において、タイ米のプロモーションイベントを実施する計画で、フィリピン起業家へ、このイベントへの参加を呼びかけています。両国は、この機会を通じ、貿易チャネルの拡大と、ビジネスネットワークの強化を目指しています。フィリピンとの会合では、貿易協力だけではなく、世界の地政学的な課題についても意見が、交われました。特に、アメリカの関税措置が、世界の貿易に与える影響について、認識を共有し、アセアンが、中立性を維持することの重要性を確認しました。両国は、多国間による貿易体制を支持し、アメリカの関税措置への対抗策は、取らない方針で一致しています。また、年内のアセアンデジタル経済協定の締結に向け、連携を強めることでも、合意しました。昨年のタイとフィリピンの貿易総額は、百九億八千八十九万ドルに達し、タイからの輸出は、七十七億六千八百八十一万ドル、輸入は、三十二億千二百八万ドルで、タイの貿易黒字は、四十五億五千六百七十二万ドルでした。今年一月から、四月までの、貿易総額は、三十四億九千九百七十三万ドルで、前の年の同じ時期と比べ、一点二二パーセントの増加となりました。この時期の輸出は、四点零七パーセント増の二十四億五千一百二十五万ドル、輸入は、四点八九パーセント減の十億四千八百四十八万ドルでした。