タイとバングラデシュの経済協力が、今大きく進展しています。

タイとバングラデシュの経済協力が、今大きく進展しています。

タイ商務省によりますと、両国は物品の輸出入にとどまらず、自由貿易協定FTAの交渉を本格的に加速させています。ピチャイ・ナリプタパン商務大臣は、バングラデシュ駐タイ大使ファイヤズ・ムルシド・ガジ氏と会談し、FTA交渉の推進について意見を交わしました。

両国は、二〇二五年までに交渉を加速させる方針で合意し、その実現に向けて高官レベルのオンライン協議を進める予定です。

また、タイは、ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアチブBIMSTECの議長国として、加盟国間のFTA交渉再開とその加速にも貢献する姿勢を見せています。これは、四月に採択された「バンコク・ビジョン2030」にも沿った動きです。

さらに、タイ側は、二〇二五年後半に、第六回タイ・バングラデシュ合同貿易委員会(JTC)会議をタイで開催することを提案。この会議は、両国の貿易・投資協力の方向性を定める重要な場となる見込みであり、同時にFTA交渉の公式な開始を発表する絶好の機会になると期待されています。

バングラデシュは、人口約一億七千万人を擁する世界第八位の大市場です。年平均六%の経済成長を遂げており、世界第四位のイスラム教徒人口によるハラール市場としても注目されています。また、輸入依存の傾向があるため、タイにとって貿易や投資の拡大には絶好の相手国でもあります。

今回の協議では、BIMSTECや世界貿易機関WTOなど国際フォーラムでの協力のほか、タイのラノーン港とバングラデシュのチッタゴン港を結ぶ海上輸送ルートの連携強化、物流コストの削減と貿易の円滑化にも焦点が当てられました。

現在、バングラデシュはインドに次ぐタイの南アジア第二の貿易相手国であり、二〇二四年の総貿易額はおよそ十一億三千万米ドルです。うち、タイからの輸出は約十億四千五百万ドルで、主な品目はセメント、プラスチックペレット、繊維製品、化学製品などです。一方、輸入額は約八千四百万ドルで、既製服、天然ガス、水産物、医療機器などが含まれています。

タイは現在、バングラデシュとの間でおよそ九億六千万ドルの貿易黒字を記録しています。

今回のFTA交渉の進展は、今後のタイの経済成長と地域的な貿易連携の鍵を握る、大きな一歩となりそうです。

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